おひとりさまでかつ、高齢の両親と同居し介護をしていた場合、兄弟がいない場合はそう分割についてもめることはないものです。しかし、例えば、結婚して普段は県外に住んでいる妹がいたとして、実家へは時々孫を連れてかえってくる程度なら、遺産分割はどうなるかと言えば、父親がなくなり、母親が生きている場合であれば、ここでもそうもめることはありません。父親がなくなり、母親と自分、妹で遺産を分割したとして、母親が家と土地を、兄妹で預貯金を等分し、その後母親が亡くなった場合、二次相続では何もなければ、自分と妹が相続人になることがほとんどです。介護をしている人からすれば、実家の家と土地を相続したいと考えるが普通ですが、妹が自分の権利を主張してきた場合は、預貯金はすでに分割していますから、母親の分でのこっているものは少なく話し合いは平行線となることが多くなります。

介護につとめた分、遺産分割ではより多くの遺産を取得したいと考えている場合、共同相続人のうち、被相続人の財産の増加や維持に特別の寄与あるいは貢献をした人は、寄与分が認められることがあるのです。特別の貢献によって維持や増加された分の財産を差し引いたうえで、残った分を分け、その後貢献したものに寄与分を取得させるという制度になります。単純にほかのものよりは多く遺産をもらえると考えることができます。しかし、現状では介護は特別な寄与に該当しないのです。

ほかのものが寄与を認めてくれれば問題はありませんが、認めてくれない場合は困難を極めます。基本的に介護の費用に関しては親が自分のお金を使うことがほとんどですが、自分の預貯金などから出した場合には、それが証明できるように、介護にかかった費用などは全て証拠を残しておくことも大事です。一番もめないのは、介護が必要になる前に親、兄妹で遺産や誰が介護をするのかを先に話し合っておき、一筆のこすことになります。

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