遺産相続といっても現金や不動産のみが財産になるというわけでもないため、分割まえには必ず遺産の評価というものをおこないます。たいていのものは相続財産とみなされますが、一身専属権といって、その人自身にしか使えない権利や義務というものは対象にはなりません。例えば、医師免許や年金受給資格は対象外です。また、極端な例でいえば、被相続人がコンサートで歌う等何らかの契約をしていた場合も、代わりにその契約を遂行することはできません。

つまり、一身専属権を除いたすべてのものが相続財産となり分割の対象となるのです。また、思い出の品や中古になった衣類、家財道具についても財産となります。しかし、その価値を見積もった場合、中古品として売買できるようなものは除き、多くは0円となります。ちなみに、生命保険は遺産ではなく、受取人が指定されているので、遺産分割の対象にはならないのです。

ただし、税金に関しては計算上、遺産とみなされ、受取保険金が1000万円であれば、その分をプラスしたものが遺産総額となり課税対象となります。財産に関しては、原則、相続開始時を基準にその価値を評価することになるため、株式などは購入時に比べ価値は上がったり、下がったりしますが、現金や預貯金は評価が増減することはなく、土地や建物などの不動産については一定の評価方法が決まっているのです。これに加えて、マイナスの財産というものも存在します。マイナスの財産がある場合、単純承認、限定承認、放棄のいずれかを3か月以内に選ぶ必要があり、分割するメンバーにより反対するものがいれば限定承認などは行うことができないので注意が必要です。

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