相続は、財産を有する本人の死亡によって開始し、特段遺書が残されていなければ相続人間で話し合いを行い、誰がどの遺産を承継するのか自由に決めることができます。その為、円滑に話し合いが進められるのであれば、基本的に法定相続分に従って分ける必要もありません。もっとも、現実には幾ら円満な家族及び親戚関係を築いていても、いざ遺産を分ける段階になると揉めることも少なくない為、生前に遺書を作成してその方法等を指定することが多くなっています。これらのことから、遺産分割の基本的な方法は、まず第一に遺言により指定があればこれに従う指定分割があり、そして第二に話し合いによる協議分割、そして協議が調わない或いはできない場合には、第三に申立により家庭裁判所がその方法を決める審判分割との3種類があります。

具体的なそれぞれの方法は、遺言による場合には、個々の割合や方法をはじめ遺言に従い正しく実施する為の第三者委託、あと相続開始時から5年以内に限って分割を禁止することの3点が指定できます。そして、協議による場合は、その5年以内の禁止遺言がない限り、何時でも話し合うことができますが、但し共同相続人全員の参加が必要です。その割合や方法に関しては前述の様に法定分に従う必要がないことの他指定通りである必要もなく、一部のみも可能です。また、審判による場合には、民法906条に基準が規定されており、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各自の年齢や職業、心身の状態及び生活状況など一切の事情を踏まえて、裁判官の裁量により判断されます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です